ブラック企業を生み出す腐ったみかん
私の友人に1人、会社からの出張手当が一切出ない友人がいます。
しかしその会社、以前は出張手当が出ていたのです。
なぜ出張手当がでなくなったかというと、ある1人の社員が…
会社の利益の貢献する為に出張手当なんて必要ありません^^
などと言い出し、自ら出張手当を返納したのがきっかけでした。
それ以来、その会社では出張手当という概念がなくなり、出張手当は出ないのがあたりまえになってしまいました。
ブラックな職場環境の出来上がりです。
このように、ブラックな職場環境というのは、たった1人の身勝手な行動で作られてしまうことがあります。
例えば、自身の仕事を終わらせる為にサービス残業をすると、次にその仕事を任された後輩は同じくらいサービス残業をしないと同じ成果を出すことはできません。
その結果、初めの1人が身勝手に始めたサービス残業がいつしかあたりまえの慣習となってしまうのです。
企業の中に法遵守意識の低い社員が1人でもいるとブラック企業化してしまうことがあります
まさに腐ったみかんです。
まともなみかん箱がこの1人の社員の身勝手な行動により腐っていきます。
加えて、このようなケースで一番理不尽な点。
それは、たいていこういった身勝手な行動は、最初にやりだした本人しか評価されないということです。
友人の例におきましても、出張手当を断った初めの1人は会社からそれはもうとても良い評価を受けたそうです。
社長は感動したそうですし、相当の報酬をその人間に与えたそうです。
結局、初めの1人は出張手当を返納した以上の見返りを得たと言えます。
しかし、2人目以降においては見返りなんてありません。
元々はもらえた出張手当がもらえない分だけむしろマイナスです。
結局は、得をするのは最初に法を犯した本人だけで、それ以降の社員にとってはマイナスにしかなりません。
最初の1人は会社の労働環境を腐らせる元凶です。
こういった腐ったみかんのような社員は、会社からみればよい社員でしょう。
勝手に自ら張り切って労務費を減らしてくれるのですから社長・役員からすれば願ったりかなったりでしょう。
ただ、各社員には各社員の生活があるのです。
出張手当がいらない人、残業代がいらない人もいるかもしれませんがそうでない人もいます。
そんな中、自身の価値観を人に押し付けられようものなら、誰しも怒りを覚えることでしょう。
仮にそんなにお金がいらないのなら、もらった後で勝手にどこかへ募金でもしていればよいのです。
それを、自分はいらないから他人もいらないだろうと決め込んでわざわざ返納するなんて、もはや頭がおかしいとしか思えません。
加えてこれが、自身の出世の為に手当てを廃止してポイントを稼ごうとしての行動であったのならば、あまりにも自分勝手で卑怯な方法です。
他人のことなど何も考えていないですし、そのようなものが出世して上層部に行くと組織はよりいっそう腐っていくでしょう。
実際、友人の会社では返納した最初の1人は結構良いポジションまでのし上がったようで、友人を含めた下の士気は壊滅的です。
ブラック企業を生み出す腐ったみかん、まさにブラック社員です。