派遣社員を推奨していたメディアはどこへいった?
現在の日本には様々な雇用形態があります。
正社員、派遣社員、契約社員、アルバイト…などなど。
そんな中、一番安泰している形態といえば…なんといっても正社員です。
なんでこんなことをわざわざ強調して言っているかといいますと、一昔前のメディアの情報が酷すぎたからです。
私が学生時代に就職活動をした時期はちょうど派遣社員全盛期でした。
今でこそ信じられないことですが、あの当時のメディアによる派遣社員の持ち上げは目を覆いたくなるものです。
- 派遣社員は自分のやりたい時間を削らない新しい雇用形態!
- 正社員というつまらない人生を送らない為に派遣社員になろう!
- 10年後には正社員がなくなり派遣社員があたりまえになる!
とにかく過剰なまでのうたい文句が巷に溢れていました。
街中、電車内、ありとあらゆるところで派遣社員は自由な生き方と宣伝されていました。
今では絶対に信じられない光景です。
派遣社員にしかなれなかったではなく、あえて派遣社員を選んでいた時代です
そして実際、当時就職活動をしていた仲間の中には進んで派遣社員になった友人たちも大勢いました。
もちそんそんな彼らも、一番安泰している形態は正社員だとは知っていました。
なんだかんだいって、正社員が一番安泰しているというのは今も昔も変わりません。
しかし、メディアの異常なまでの派遣押しにより…
もしかしたら何か新しい次世代の雇用形態が生まれるかもしれない…それは派遣だ!
などと希望を抱いて、当時は進んで派遣社員になった友人もいたのです。
しかしながら結局、派遣社員は昔のような専門職のイメージを維持することができず…
何やら都合の良いアルバイトのようなポジションになってしまいました。
するとどうでしょう。
今度は手のひらを返したかのようにメディアによる派遣叩きが始まりました。
- 一生正社員になれない派遣社員は現代の奴隷制度
- 正社員と同程度の仕事で給与が安い派遣社員
- 雇用が不安定で結婚に踏み切れない派遣社員の実態
など、今度はこぞって派遣社員という雇用形態を叩きはじめました。
オイオイと思ったのは言うまでもありません。
自分たちであそこまで持ち上げておいて、今度は完膚なきまでに叩くのですから。
まずは…
いろいろと煽ってしまいごめんなさいだろ?
と思うのです。
あれだけ次世代型雇用やら自由型雇用やらと煽っていたメディアはいったいどこへいってしまったのでしょう。
つくづく、メディアとはあてにならないものです。
当時、どういった圧力が働いていたのかは知りませんが派遣雇用を煽りすぎていたメディアは大罪です。
しかし、派遣問題となるとメディアが叩くのは派遣切りを行った大企業ばかり。
私たちも派遣社員を推進しすぎてすいません、なんてのは今まで聞いたことがありません。
都合のよいものですね。
派遣がうまく機能している側面もある
派遣制度がすべて悪いかといえば、もちろん良い側面もあります。
- フルタイムではなく時間に都合のつく仕事を求めている人
- 1つの仕事に縛られずいろいろな仕事を経験したい人
- マネージメントではなくプレイヤーとしてずっとやっていきたい人
そういった人々にとっては、現在の派遣制度はものすごくマッチしているものでしょう。
正社員とパートのちょうど中間に位置するちょうどよい雇用形態、それが派遣なのです。
ただ、それでもどうしても悪い側面の方がめだってしまうのは否めません。