最終面接、天国と地獄を味わう

予想外の最終面接の案内をもらい、私はとても有頂天になっていました。

気分も晴れやかになり、普段の業務も心なしか気楽になったように思います。

そんな最終面接案内の内容を見てみると、どうやら最終と銘打ってはいるのですが…

午前中に部長クラスの方との面接があり、それを合格すると午後に社長面接がある2段階形式になっていました。

それゆえ、実質午前中の面接が2次面接のようなもので、午後の面接が最終面接となります。

しかし人事の方より…

午後の社長面接は形式的なものですので、実質午前中の面接が最終面接相当となります

とのことでした。

これは本当に期待できます、気持ちは天国に昇るかの如く昂っています。

面接の曜日は水曜日。

やはり役員クラス以上との面接となると土日はありえませんでした。

もちろん、捨て身の有給申請を行いました。

当然のごとく呼び出し、尋問。

しかしながら、もう何を言われても気になりませんでした。

というよりはむしろ、休日出勤させた分くらいは休みをよこせといつもよりも強気でした。

近頃は、アイツは頭がおかしくなりつつあると噂されているそうですが気にしません。

やはり、最終面接を持っていると違います。

強気な気持ちになれますし、何よりあと少しでこの職場から解放されるのだと高揚します。

加えて、状況を見る限りかなり手ごたえの良さそうな最終面接です。

この最終面接さえ乗り切ったら、もう転職活動も終わりなのですから、

それはもう気分がはつらつとして当然でしょう。

結局、火曜日にその企業のある土地へ前泊し、朝から最終面接に向かいました。

1次面接で会社の所在と経路は把握しているので迷うことはありません。

会社へ向かう電車に乗っているときに…

内定したらいつもこの景色を見ながら通勤するんだなと思いました。

これまでもそういった思いにふけることはしばしばありましたが、 このときほど強く思ったときはありません。

内定後を思い浮かべてうっとりとしつつ、最後まで油断をしてはいけないと自分を律しました。

最寄り駅に着くと、徒歩でその会社へと向かいました。

今日、この空が暗くなる頃までにはすべてが終わっているはず

会社へ到着するまでの間、これまでのすべてを賭けて挑もうと意気込みました。

 

本当に嘘かと思うような転落劇

会社へと到着すると前回と同じくGUESTのバッチをもらい、人事の方と挨拶を交わしました。

そしてまずは、午前中の部長面接へと向かいます。

中に入ると、希望担当部署と人事部の部長さんが座っており、

やはりオーラからして部長格以上の雰囲気を出していました。

反面、付き添ってきたいつもの人事の方が小さく見えます。

机には、私の職務経歴書が数枚あり部長方が目を通しています。

そして、人事の方の挨拶により、面接開始が開始されました。

初めの方は、基本的な内容を質疑応答され、そこまではいままでと同じです。

また、今回の面接は現職種と同じ職種ということもあり、現在の仕事内容に関しても細かく質問されました。

応答に関しては、個人的には簡潔に答えられたと思います。

面接途中も決して手ごたえは悪くないと感じました。

…が、いつからでしょう。

いや本当にいつからでしょう。

担当部署の方の質問が徐々にネガティブになっていきます。

圧迫面接かな?部長面接で圧迫?

などと思いつつも質問に対して答えていきますが、

これまたどうもネガティブになっていくのがわかります。

あれ?…こんなものなのかな?

などと思いつつ、面接は進んでいきました。

このあたりから、担当部署の部長さんの顔がしかめっ面になっていきました。

えっ?なんで?と困惑するのと同時に…

まさか…落ちる?落ちるのココで?

と冷や汗が出てきました。

いや~、あなたはウチ以外でもやっていけると思うんだよね

…キタ、定番の質問。

この種の質問が来るときは、 定石どおりですとその会社への志望意識が伝わっていない場合です。

もちろん、そうならないように面接開始時から注意を払い応答してきたつもりです。

ここで終わってはいけない。

まさに、正念場だと思い、冷静さを保ちつつ必死に自分をアピールし、気づけば面接は終了しました。

後半は冷や汗ものだったものの、何とか面接は終わりました。

気になるのは、担当部署の部長さんがネガティブになった理由。

正直、私にはわかりませんでした。 面接が終了するといつもの人事の方より、

選考の合否を出しますので20分ほどこちらで待っていただいても良いですがと個室での待機を要求されました。

この時点で緊張は最高峰になりました。

なぜならば、この合否次第では長かった転職活動が本当に終わるのですから。

20分程度の時間が、何時間に感じるほど長く、心拍数も上がりっぱなしの状態で待ちました。

そして20分程度が経過し、人事の方が戻ってきました。

…○○さん、部長方より○○さんはとても誠実で、 しっかりとした人物であるとの評価を頂きました。

面接中も当社への志望熱意が伝わってきましたし、とても高評価でした。

しかし、しかしながらですね…どうも当社の求める人物像と違うとの回答も頂きました。

ですので…本当に残念ですが……今回は採用を見送らせていただくことになりました

………。

…………頭が回りません。

ハハ。 あ…そうですか、非常に残念です

意識が朦朧とする中、なんとか振り絞るように回答しました。

会社の出口にて人事の方より…

今回は申し訳ありませんでした

との最後の言葉をいただきましたので…

いえいえ、こちらこそありがとうございました

と社会人として最低限のふるまいをしようとがんばりました。

私は転職活動を始めてから初めて、面接会場で半泣きになりました。

実際、人事の方への返答にも声が震えていました。

その会社の最寄り駅に到着すると、とりあえずトイレに篭りました。

時間帯はお昼過ぎで変に混雑していました。

頭は真っ白になり、何が何やらわからない状態でした。

落ちた。

最終面接に落ちて、明日から普通の業務がまた始まる

携帯には上司からの不在着信。

自然と出てくる涙と、体全体が冷たくなっていくような絶望が襲ってきました。

天国と地獄。

まさにこの言葉がふさわしいそんな一日でした。

 

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