精神的に限界がきた日
その日は、目が覚めると何か体に違和感を覚えました。
胃が痛いのや頭がヅキヅキするのはいつものことだったのですが、 その日の不快感は異常でした。
起きるや否や、ものすごい吐き気に襲われました。
即刻、トイレに向かいました。
しかし、苦しい割には何も吐くことができません。
吐き気は以前として感じるものの、何も吐き出せないまま10分ほどもがきました。
いつもだとその後、なんだかんだで吐き気は治まるのですが…
その日はさらに冷や汗が出てきて、手がしびれてきました。
正確には、手がしびれてきたというよりは手の先が冷たくなっていく気がするのです。
貧血に似た感覚でもありました。
そしてしばらくすると、今度は腹の辺りが痛くなってきました。
ずっとトイレに篭りっぱなしだったので、ちょうど良いと用を足したのですが、 次の瞬間背筋が凍りました。
何やら、出てきたものが赤いのです。
経験のない私でも、直感的にわかりました。
間違いなく血便です。
血便を見たのは初めてだったのですが、ショックというよりは…
もう、血便が出るほどに体が悲鳴をあげているのかと意外に冷静でした。
その後、何も考えたくなくなり、しばらくトイレの中でボーッとしていました。
しかしながら、30分もするとさすがに家を出なければいけない時間帯になったので、
無心で仕事の準備をして家を出ました。
通勤途中も、半ば意識が抜けかけたような状態でした。
もう嫌だ、誰か助けてくれ！
心からそう思いました。
そして、会社に到着していつものように業務を再開するも、どうも集中力がありません。
何やら、やはり体調が悪いのです。
集中力が続かないような、思考が停止しているような…
とにかく、机に座って作業が出来なくなったのです。
なんとか頑張ろうと思ったですが、頭が思うように働かないのです。
そして気づけば、トイレに篭って休憩していました。
トイレに篭って下を向いていると、頭がポケーとしてきました。
それと同時に、視界がボヤーっと暗くなっていったのです。
だんだんと視界の四隅が暗くなっていき、視界が丸くなっていくような気がしました
今思えば、失神する一歩手前だったのかもしれません。
意識が大分回復し、時計を見ると… トイレに篭ってから２時間が経過していました。
…もうダメだ
プツンと、何かが切れるような気がしました。
しっかり転職活動をしようと決意した日
本当に吹っ切れると、気持ちがプツンと途切れたような感覚になるのだと、そのとき初めて経験しました。
結局、トイレから出ると即刻上司に連絡し、その日は無理やり早退することにしました。
もう、何か今すぐ帰らないと危ないような…
とりあえず、すぐに帰れという脅迫観念にかられました。
あたりは真昼間、白昼堂々と帰路に着きました。
しかしながら、自宅が近づいてくると、今度は逆に家に帰りたくなくなったのです。
いまこのまま帰宅したとこで、ベットでふて寝してすぐに明日が来てしまう。
そうなると、今度こそ精神が崩壊してしまう。
そんな気がしたのです。
結局、アレやコレやと街を徘徊した後、最後に向かったのは海辺でした。
ベタなのかもしれませんが、なぜか疲れ果てると海に向かってしまうのですね。
辺りはすでに暗くなっていて、人もおらず波の音だけが聞こえていました。
缶コーヒーとタバコを買い、１人でボーっと海を眺めていました。
もうこんな生活は嫌だ
今まで何度も思ってきたことなのですが、ついに本気に思うようになりました。
どこでもいいので、とりあえず転職したい。
それまでダラダラと転職活動もどきの活動を続けていたのですが、 真剣に活動しようと決心しました。
