面接官と口論、イラついて傘を置き忘れる

1社目の会社はことごとく面接で落ちて数週間後、2社目の面接案内の連絡が来ました。

求人自体の立地条件、待遇はまずまずで、職種もほぼ希望通りです。

受けてみて、良さそうなら決めようかな。

そんな志望度合いの会社でした。

今回の面接時間は午前10時から開始でしたので、朝食も早々に面接へと向かいました。

外に出ると雨が降っており、青い傘をさしていったのを覚えています。

交通手段は前回はJRだったのですが、今回は私鉄に乗り会社へと向かいました。

通勤時間からは少し遅れた時間帯でしたので、比較的車内は空いており、

大学生や営業と思われるサラリーマンがちらほらと座っているくらいです。

電車に揺られること十数分、会社最寄の駅に到着しました。

時間は面接開始の40分前です。

駅から会社までは10分程度なので、いつものことながら少々早めに到着しました。

とりあえず会社の前まで行って場所を確認した後は、駅の周辺をウロウロしていました。

コンビニに入っても良かったのですが、 気持ちに落ち着きがなかったので歩いているほうがマシでした。

とまあウロウロとしながら時間をつぶしていると、ちょうど良い時間になってきました。

そろそろ行こうかなと思い、あらためてネクタイと服装が乱れていないかを確認しました。

今回の会社には守衛室があったので、面接を受けに来た旨を守衛に伝えました。

○○さんですね、このバッチをつけてお入りください。

そう言って渡されたバッチをみると、「GUEST」の文字が書いてあります。

そうか、面接に来たのだったなとあたりまえのことを思いつつ、社内へと入りました。

社内に入ると、すぐさま近寄ってくる人がいました。

その人「○○さんですか?」

私「はい、そうです。 あ、私人事部の○○と申します。本日は(以下略 」

と、やはり人事部の人でした。

どこの会社でも言えると思いますが、人事の人間というのは愛想の良いものですね。

簡単な社交辞令を済まし、そうそうに面接室へと案内されました。

面接へ向かう途中、チラッと他の社員の姿が見えました。

席と席の間隔はやや狭めで、皆がPCに向かって何かをしています。

まあ、だいたいはイメージどおりの光景でした。

面接場所に到着すると、案内してくれた人が、担当部署の人を呼びに行きました。

ここまでは前回の面接とほぼ同じ流れです。

職場の雰囲気は前回よりはマシでしょう。

前回の職場より机と机の幅が狭く窮屈そうなのが印象的ではありますが。

 

ついつい聞いてしまう福利厚生のこと

しばらくすると、人事の方がやや年配の社員を連れてきました。

どうやらこの年配の方が面接官のようです。

面接形式は2対1で、人事部と担当部署の責任者、そして私の3人でした。

面接開始から数分は、ありきたりの質問が続きました。

なぜ転職したいのか?現在の仕事内容は? なぜこの求人に応募したのか?

これも前回の面接と同じです。

すべて想定内の質問でしたので、特に動揺することなく自然に回答しました。

正直なところ、面接の出だしとしては快調だったと思います。

次に、応募職種の仕事内容や待遇の話になりました。

この話題に切り替わった瞬間、頭の中でモヤモヤしていたあることが浮かんできました。

それは、この会社には退職金制度がなかったのです。

今のご時勢、退職金制度がない会社は珍しくないのですが、長く勤めようと思えば、

退職金制度はできればあってほしいものです。

それゆえ、この部分だけが頭にひっかかっていたのです。

仕事内容の話はスラスラと終わり、面接官から次のような質問を受けました。

仕事内容や福利厚生に関して何か質問はありませんか?

正直、絶好のチャンスだと思いました。

退職金はなぜないのですか?などと唐突にこちらからガツガツと聞くわけでもなく、

あくまでも自然な流れで疑問を解決するチャンスがやってきたのです。

聞くべきか聞かないべきかを瞬時に悩んだ結果、結局退職金に関しては聞くことにしました。

やはり、モヤモヤを解決しないまま面接を終わらせたくなかったのです。

それでは1つご質問させていただきたいのですが(以下略

とりあえず、その場で考えられる最大限に謙虚な言葉を選びつつ、丁寧に質問をしました。

すると面接官は、スラッと答えてくれました。

退職金がないのは、私どもの会社自体にフットワークがあるからなのです

………?.....? ふっとわーく?

何やら、よくわからない答えが返ってきました。

会社にフットワークがある。

パッと聞けば聞こえは良いのですが、それは言い換えれば企業としての基盤がしっかりしていないのでは?

もしかして、いい歳になったら簡単に切られる?

そもそも、この場合のフットワークってなに?

やや頭がこんがらがりましたが、とりあえず深くは追求せずやんわりと質問を終えました。

まだ一次面接だし、これ以上の深追いはマイナス印象になると思ったからです。

振り返ってみても、この行動自体は正解だったと思いますし、問題はなかったと思います。

 

なぜか異業種の志望に食らいつく面接官

場が急変したのは、面接官の次の質問でした。

○○さんは弊社以外にこれまで、どのような求人に応募されていたのですか?

質問自体に変な意味はなく、典型的な質問の1つだったと思います。

ただ、私の回答がマズかったのです。

実は、私はその面接の時点で、他の企業の面接を1つもっていたのです。

先に2社目の面接案内が来たと書きましたが、実際は2つの会社の案内が同時にきたのです。

1日に2つの会社を併願する。

それ自体に別に問題はありません。

さらには、それを面接でいう必要もありませんし、

「今日別の会社の面接があるんです」なんて言ったところでプラスになることなどありません。

もちろんそのことは理解していましたので、 適当に流すつもりで「○○に応募したことがあります」と、

まるで過去のことであるかのように話しました。

すると面接官が、「それも今回の同じ○○系の職種で受けられたのですか?」 と聞いてきました。

この追加質問に対して、私はついつい本当のことを話してしまったのです。

私は、大学の専攻から初めて就いた仕事まで、完全に理系の人間です。

ですが、このとき受けていたもう1社の職種は、実は文系職だったのです。

つまりは、まったくの異業種異職種だったのです。

その行動自体には、妥協などの思いはなく、 ただ純粋に他の職種にも自分の可能性を見出したかった。

そのような思いしかありませんでした。

ところが、このことを面接官に伝えた途端に、面接官の顔が曇りだします。

えっ、現職は○○職なのに、なぜそのような仕事を志望…それは少しおかしくないですか?

なぜか、面接官はものすごくネガティブな質問を浴びせてきました。

「おかしくないですか」と思うのはあくまでもあなたの個人の価値観であって、

そんなことをあなたに言われる筋合いはありません

すぐさま頭の中でそう返答しました。

もちろんそのような回答をすることはなく、相手の言動を非難することなくやんわりと回答を続けました。

すると面接官は「いや~…おかしいなぁ~」とものすごい悩んでいます。

さらには…

「いや、あなたが○○系の職種のみを受けてこられたのなら、

信頼して仕事を任せられたのだけれども、こうコロコロと違う職種を受けているのを聞くと…」

えっ…?なにコイツ…?

その言葉を聞いた瞬間、頭が沸騰するような苛立ちを感じました。

自分の別の可能性を探してみる、というのはそこまで非難されることなのでしょうか?

しかもコロコロって、たった1回でしょうが。

頭の中での自問自答が続きました。

しかしながら、まだ冷静さを保っていた私は、きっと自分の説明が足りなかったと思い、

その異職種を受けようと決意した敬意を簡潔に伝えました。

実際のところ、その異職種の仕事に対しても、まったく接点がなかったわけではなく、

保有している資格や知識などから一定以上のつながりはあったのです。

これ以上の内容はあまり覚えていませんが、とりあえず可能な限りの情報を相手に伝えました。

このやり取り自体が、相手の反応を見る圧迫面接の一種である可能性もありましたので。

しかし、それに対する面接官の対応は…

まったく理解できない

の一点張りでした。

結局、初めのうちは快調に進んだ面接も、終わって見れば散々たる内容でした。

面接が終わったときの雰囲気で、これは落ちたなと確信しました。

とはいえ私自身の苛立ちも納まらず、 表面的に感情を出さずとも内心は怒りの頂点に達していました。

私が逆に面接官だったらあなたを採用することはありません

心からそう思いました。

面接後は形だけの挨拶を交わし、スタスタと一目散に出口へと向かいました。

外を出ると雨はやんでおり、というよりは雨が降っていたことすら忘れていたほどにイライラしていました。

そして電車の中で、さっきの会社に傘を忘れてきたのを思い出しました。

もう、踏んだり蹴ったりです。

本当に、心からそう思いました。

もしかしたら面接官はあえてあのような態度を取り、実は合格しているのではという淡い期待も浮かんでくるわけで、

頭は相当混乱しているようでした。

私が裸の王様なのか?それともあの面接官がクレイジーなのか?

非常にモヤモヤした思いを残しつつ、同日に予定をしていたもう1社の面接へと向かいました。

そう、事の発端となった異業種異職種の面接です。

 

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