毎日の日課
帰宅が遅い毎日なので、基本的にプライベートなどというものはありません。
しかしながら、仕事だけを考える生活には限界があります。
帰宅後何もせずに就寝し、朝早く起きてまた仕事。
ほとんど家には寝に帰るだけの生活です。
仕事が終わってから出勤するまでの意識が虚ろなので、 帰宅したという実感はありません。
帰宅した実感がないので、疲労がものすごい勢いで蓄積されていきます。
ずっと仕事をしているような気持ちになります。
そんなおかしな兆しを感じていた日々の中、 なんとか仕事以外のメリハリを見つけようと努力しました。
常に疲れているので疲れるようなものはダメです。
また、基本的に深夜帰宅なので時間の制限のないものがよいです。
あと、できるだけ屋外でできることがよいですね。
なぜなら、家に帰ったら真っ先に寝たくなり趣味どころではなくなるからです。
いろいろと考え抜いた後、結局次のような日課に落ち着きました。
それは温泉です。
深夜まで開いていて、疲れが溜まらなく、なおかつ仕事帰りに寄ることができる。
まさに私にとって最適な日課でした。
いったい、どれくらいの頻度で温泉に通ったでしょうか。
多いときで週に4日は通っていたと思います。
時間があれば、もっと他にやりたい趣味が見つかったと思うのですが、
時間的にも精神的にもギリギリの生活の中では、 もはや他に何かをやる気力が湧きませんでした。
深夜に湯船につかってボケーッとしていると、 意外と周りにサラリーマンが多いことに気づきました。
そして中には、何やら同じ雰囲気をかもしだしている人たちもいました。
おそらく、同類の激務リーマンです。
皆、考えることは同じなんだなと思いました。
温泉に入っているほんのひとときだけ、仕事のことが頭から離れます。
また、湯に浸かっていると唐突に涙が出てきてもごまかせるのでちょうどよいのです。
深夜に銭湯にきて泣きながら風呂に入っているサラリーマン。
どう考えても普通ではありません。
ただ、温泉に入ることでかなり気持ちはリラックスできるようになりました。
癒しの効果もあってか、普段は思わないような前向きな気持ちも湧いてきます。
なんだかんだ言って、銭湯にきて良かったと思えるのです。
それからというもの、銭湯と仕事だけの毎日が続きました。
他には何もなく、ただただ銭湯と仕事だけの生活でした。