退職手続きを終えて会社を出ると
退職手続きが終わり会社を出ると空が大きく感じました。
別に意識しているわけでもなく、特にいつもと変わらないはずなのになぜでしょう。
とても爽快な気分だったのを覚えています。
そして勤めていた会社を振り返り二度と戻らないであろう建物を見たとき、
今までにはない新鮮な感覚を感じました。
客観的というか何というか…
いままで必死に頑張ってきた自分、苦しんできた自分に対して少し距離を置いて考えられるようになった気がします。
きっと、何かから解放されたのでしょう。
あるいは、気持ちが吹っ切れたのでしょう。
ノイローゼになるくらいに悩んだあんな事やこんな事も、一気にスッキリとどうでもよくなりました。
あっ、俺って退職したんだ
と、そのときになって実感が湧いてもきました。
実感が湧いてくると同時に、すべてが終わったという安堵感も湧いてきました。
次の会社への不安や期待はありますが、
とりあえずはひと段落したということで晴れやかな気持ちで帰路につきました。
退職手続きが平日でしたので、周りの街は働いているサラリーマンで一杯ですし、
家に帰ってもどこか違和感を覚えました。
俺って本当に退職したのかな?
ふと何度も、懐疑的に頭をよぎります。
なんだか明日もまた普通に職場に行っているような、そんな気がしてならないのです。
むしろ、行かないと不安になるような、ある種の矛盾した感覚を覚えました。
実際に退職するといろいろと新鮮です。
今までは、同じような毎日に刺激もない毎日だったのに。
退職日が来るまではいろいろな雑務に追われて実感がなかったのですが、
実際に退職日を迎えて初めて、退職したんだなと感じたそんな一日でした。
客観的に自分自身を見る。
働いているときは、それができるようでできないもの。
それを痛感しました。
私は転職してそれに気づくことができましたが、人によっては気づくことができず、
最悪の場合、過労自殺やうつ病に至るのだろうと思いました。
事務所で退職手続きをしていると
そういえば、事務所で退職の手続きをしているときに、
その日退職する人たちが一緒に手続きをしていたのですが、なんとその中に同期入社の人がいました。
お互いに話したことはなく、特に親しい仲ではないのですが間違いなく同期の1人です。
次は決まっていますか?と事務の人が質問した際にボソッと一言…
決まってないです
とだけ答えていました。
私もたいがいでしたが、その同期も雰囲気が何というかヤバイです。
今にも自殺しそうな雰囲気をかもしだしていました。
そもそも、365日の内のたった1日で同期に会うなんて、
すごい偶然か、あるいはそれ以上にすごい勢いで人が辞めている
かのどちらかです。