将来の夢は普通の生活
サラリーマンにとって普通の生活とは何なのだろうかと思うことがあります。
普通の生活。
それなりの収入があってクルマや家を持ち、家族がいる。
私が子供の頃は、そんなイメージ像のサラリーマンを普通だと思っていました。
ところが現実はどうでしょう。
収入は上がらず、残業や休日出勤でプライベートは壊滅、家族は存在するどころか、パートナーとの出会すらない。
そんなサラリーマンが大半なのではないでしょうか。
子どもの頃にイメージしていたサラリーマン像とは程遠い現実を突き付けられています。
もちろん、中にはイメージ通りの勝ち組になるサラリーマンも大勢いるでしょう。
私の周りにも、大企業に勤めている友人たちの何人かは普通に生活できる収入があり、結婚しており、クルマも何台か所有していて持ち家も持っています。
プライベートは残業過多でさほどありませんが、子供の頃にイメージしていた普通の生活です。
それとは対照的に、非正規雇用や中小零細企業の友人たちは悲惨です。
1人で生きているのにカツカツな給料、サービス残業に休日出勤、忙しすぎて出会いもなく、これからも誰かと出会える見込みもありません。
一人暮らしなんて夢のまた夢で、実家で与えられた子供部屋的なスペースに今もずっと居座り続けています。
まさに典型的なワーキングプアな人生を歩んでいます。
現在の日本は格差の二極化が進んでいるとは聞きますが、私の周りを見る限りなまじ嘘ではないなと実感しています。
同じ日本の労働環境とは思えないほどの差が生じています。
私が子供の頃に抱いていた普通の生活はもはや普通ではないのでしょう。
むしろ贅沢な生活と言われるかもしれません。
将来の夢は平凡でもよいので安定した収入、プライベート、家族が欲しいです。
そんなことを書く子供が増えるかもしれません。
何だか悲しいことですね。
現に中高生の将来の夢上位に「公務員」が食い込んでくている現状を踏まえますと、すでに増えているのかもしれません。
こういった風潮を目の当たりにしますと…
今の子供は夢がない!私たちが子供のころは…
などと旧世代の人間は言うかもしれません。
しかし、そのような世の中にしてしまったのは旧世代の人間です。
下手に大きな夢を目指してリスクをとるよりは手堅く手ごろな夢を目指す。
そのような子供にしてしまったのは紛れもない大人たちです。
若者はリスクを冒してチャレンジを続ける生き物ではありません。
若者だからといってがむしゃらに夢を追い続けることはありません。
むしろ今は逆で、若者こそ保身と安定を大切にしています。
保身と安定を求めるのは、今の日本で生きていくのに最善の手段だからです。
また、格差社会が進んだ現代の日本において負けの美学はありません。
勝ち組負け組みと差別される世の中である限り、若い世代がリスクをとって野心を抱くなどありえません。
しばしば、日本の若者は海外の若者に比べて挑戦心が少ないと批判されますが、それは若者ではなく日本の風土に問題があります。