便利な世の中を支えている奴隷労働
世の中は日に日に便利になっています。
コンビニなどに代表される24時間営業は別に珍しいことではなくなってきましたし、年中無休という言葉にも違和感を覚えなくなりました。
でも、時々思うことがあります。
この便利なサービスの裏には必ず相応の苦労をしている人々がいて、その人達の犠牲の上に成り立っているのです。
しかも日本社会では労働者は非常に立場が弱く、そういった苦労している人は得てして貧困に苦しんでいることが多いのです。
それでも日本は海外に比べて解雇条件が厳しいから守られている?まるで逆です。
一見、海外に比べて解雇の条件が厳しいなどある程度雇用が守られているように見えますが実際は違います。
解雇の条件が厳しいがゆえに正社員採用が絞られてしまい、ブラック企業でも正社員であるならば簡単に辞められないだけです。
一度正社員のレールを外れると簡単に戻ることのできない社会のシステム、それがすべての元凶です。
企業はその弱みをうまいこと利用し、ありえないくらいの奴隷労働を強制してきます。
飲食業で店長が何十時間も連続で働かされて過労死。
IT企業で月に100時間以上働かされたサラリーマンが過労自殺。
まるで年間行事のように1年に数回は必ず起こっている事件です。
冷静に考えると猟奇殺人並に恐ろしいことなのですが、サラッとニュースで流されて終わりです。
おかしくないですか?
企業によって人が1人過労で殺されるのと、通り魔によって人が1人殺されるのも本質的には同じです。
しかし、なぜか労働に関する企業殺人はあまり注目されません。
それどころか…
ああ、やっぱりあそこは忙しいんだな~
まあ死ぬくらいなら辞めたらいいのにね~
の一言で済まされてしまいます。
通り魔に殺された人に対してあんなところに突っ立っているから殺されるんだよ~と言っているのと同じです。
過労自殺するような人が自分から仕事を辞められるわけがありません。
精神状態がおかしくなっているからこそ、自ら命を絶つことができるのです。
ホントおかしな世の中です。
それとも皆、サービス残業をはじめとした様々な腐った風習に慣れすぎて、過労死ごときではもはや刺激が足りないのでしょうか。
ブラック企業で働いていた社員が腹いせに職場の同僚を大量惨殺!
このくらいの事件が起きないとインパクトが足りないのでしょうか?
それとも、テレビや雑誌などのメディアが庶民が労働環境を重要視しないように偏向しているのでしょうか。
人は奴隷ではありません。
他国の人々から見れば、日本という国は観光するには最高の国だけれども働きたいとは思わない国だそうで、まあ私もそう思います。
便利さを享受するだけなら最高の国でしょう。
まあいずれ、奴隷層の拡大によって今は関係ないと思っている人にも奴隷労働が強制されていき、じわじわと奴隷労働が侵食していくでしょうね。
茹でガエル現象のごとくそれらは緩やかで、気づいたときには手遅れになっていることでしょう。