労働者を使い捨てるシステム
長引く不況を逆手に労働者を使い捨て続けるブラック企業は少なくありません。
不況ゆえに人材なんて捨てるほど余っている状況を踏まえ、まさに入れ食い状態、使いつぶし放題です。
それゆえブラック企業は調子に乗り、労働者を搾取し続けます。
そして、いらなくなったらゴミのように労働者を切り捨てます。
そこらに売られているガムと変わりません。
味があるうちは噛んで味がなくなったらポイ捨てます
人間というよりは、モノとしか見ておりません。
私の友人の働いている会社でも、毎年新入社員の離職率が100%近くあります。
離職率がほぼ100%ですので、入った人のほとんどは1年以内に辞めていきます。
もはや、毎年夏から秋にかけて今年の新人が辞めたと聞くのが風物詩になっています。
100%近くといったのは、その友人が唯一辞めていない人間だからです。
辞めていく人の理由は、給料が低くて生活がなりたたないからです。
その会社は社会保険・厚生年金すら払っておらず、それなのに額面15万円で社員をこき使い続けています。
とても生活できる環境ではありません。
ただ、その友人は転職してその会社に入社しており、前職では額面9万円という信じられない環境で働いていました。
額面9万円ですよ、もはや日本の会社とは思えません。
どこか物価の安い国ならともかく、日本でそんな給料では生活が成り立ちません。
その会社でも人が入っては辞めてを繰り返していたそうですが、あたりまえでしょう。
それでも不況で人はやってくるのですから、経営者は笑いが止まらないでしょうね。
カモがネギをしょって毎年やってきてくるのですから
昇給をさせる必要もないし、経験を積んでウザくなってきたら切ればいい。
会社はその程度しか考えていません。
労働者を使い捨てるシステム。
いつから日本の労働環境は、そんな風になってしまったのでしょうか。
以前の日本も激務ではあったと聞きますが、ここまで冷徹だとは聞いておりません。
やはり、派遣システムの改定ぐらいからでしょうか。
あのあたりから何かおかしくなってきたと思います。
とはいえ、使い捨てる環境が悪いといっておきながら、何もしない労働者側にも問題があるのは事実です。
ブラック企業が労働者を使い捨てられるのは、それだけブラック企業でもいいから働きたいと人が集まるからです。
皆が皆ブラック企業なんかで働いてられるかと反発すれば、ブラック企業も存在することなんでできないのです。
しかしながらこういった問題は、雇用の流動性が低い日本では仕方がないでしょう。
雇用の流動性が低い限り、どんなに虐げられても我慢我慢の一点張りか、誰かが何とかしてくれるだろうと他人任せで受け身に徹するしかありません。
結局、ブラック企業とは雇用の流動性の低さをうまく利用して生まれた存在なのです。
友人のように安月給でも頑なに黙々と仕事をしてくれるタイプの人間は、ブラック企業が大好きな人種でしょうね。
結局、友人も数年後にそのブラック企業を辞めてしまうのですが、まあ数年間搾取し続けることができましたのでブラック企業からすれば満足でしょう。
むしろ、徐々に年齢が上がってきた友人をそろそろ切りたいと思っていたかもしれません。
そんなに若者を切り捨てていたらじきに若者が集まらなくなって潰れる?
ある程度の規模のあるブラック企業ならそれはあるかもしれませんが、友人の勤めていたのは個人経営の小さな同族ブラック企業でしたので、実際のところあまり痛みはないでしょう。
もういつ潰しても良いけれどもそれまでは絞り続けるタイプのブラック企業でしたので、一番たちが悪い勝ったかもしれません。