サービス残業は労働ではない

以前、ネットを徘徊していたら下記のような記事を見つけました。

ワタミ店長実名告発!「僕は目の前の焼き鳥が冷めていくのが耐えられない」

内容は、あるワタミの店長が自身の仕事観を語り、 休みを省みずに一生懸命に働くことにも一定の意義はあると説いたものです。

会社に滅私奉公することのすばらしさをかなり熱く語っています。

まあなんといいますか、この記事を読んだときに無性にイライラしたのは私だけでしょうか?

一生懸命に働く。

それはとてもすばらしいことです。

しかし、それは「労働」だからすばらしいのです。

労働の対価もロクに与えずただただサービス残業で使い倒す。

それはもはや労働ではありません。

奉公、もしくは奴隷といった方がよいでしょう

ワタミが散々と叩かれ続けているのは、決して長時間労働だからではありません。

長時間労働に対する対価が払われていないと訴えられ、さらには過労死にまで至った経緯があるからこそ叩かれているのです。

仮に長時間労働に対する対価がすべて支払われ、他とは比較にならないほどの高給であるならばここまで叩かれることはなかったでしょう。

上記記事の店長に関しても、従業員はしっかりと休ませてあると言いながら、休みを返上して働くのもすばらしいと言っています。

仮に私がそんなことを主張する上司の下で働いていたら…

絶対に休みにくいと思います。

休んでもいいよ、でも休みを返上して働くのもすばらしいんだ

そんなことを言われたら、休むことに抵抗を感じてしまうかもしれません。

誰もが経験したことがあるかもしれませんが、帰らない上司、休まない上司の元だと、部下は帰りづらいし休みづらいものです。

まあ実際のところはわからないので、これ以上推測だけで批判することはできませんが…

個人としてはこの記事を読んで不快な気持ちになりました。

飲食業に限らず、どこの企業においても「労働」の範囲内でがんばる分には問題はありません。

労働としてがんばった結果、競合他社が潰れようがどうなろうがそれは企業努力の結果でしかないからです。

しかし、サービス残業などの「奉仕」によって競合他社を駆逐していくのならば、それに関わっている人々はもはや国民の生活を脅かす国賊といっても過言ではありません。

ここを勘違いしている人間があまりにも多いのです。

この店長においても然りです。

ワッショイ、ワッショイと言いながら笑い飛ばす?

1人で勝手にやっていてください。

ただし、それは企業活動内でなく趣味の範囲でやってください。

ズルをして成果を上げてワッショイでごまかされたら同業他社はたまったもんじゃありません。

仕事中毒の人間はどいつもこいつも…

俺は納得しているから(サービス残業を)気にしていないよ

とほざくのですが、周りへの迷惑がまったく頭にないのでしょう。

こういった人間が抜け駆けして成果を出していくがために、周りも追従して同じように無理をして、結果として今の日本の腐敗した労働環境が出来上がってしまったのです。

 

根本的なところから勘違いしている件

先の店長の発言の中で特にイライラしたのは次の一文です。

 

従業員にはきちんと休んでもらっていますけど、僕はこれからも働きますよ。「ブラックだ」なんて声は関係ない。会社に必要とされているかすらわからない週休2日の悠々自適の人生もいいでしょう。だけど社会から必要とされるべく毎日懸命に働く人生にだって価値はある。本音を言えば、自分の5歳の息子と3歳の娘ともっと話したいし、だっこしてあげたい。だけど、がむしゃらに仕事する僕の背中からいつか何か感じ取ってくれるだろうと信じています。子どもが大人になったとき、「お父さんてすごいなぁ。僕も頑張らなきゃ」という心のバトンを渡したいのです。

(出典:ワタミ店長実名告発!「僕は目の前の焼き鳥が冷めていくのが耐えられない」

 

何か根本的なところから勘違いしていると思うのです。

週休2日の悠々自適の人生?

全くもって理解できません。

週休2日の何が悠々自適なのでしょうか?

それを返上して働くことを否定はしませんが、もしそれが労基法の範囲を超えた違法労働であるのならば、それは単なる自己満足です。

いったいこの店長の子供たちは何を感じ取るのでしょう?

ちょっと私とは価値観が違いすぎて、もはや何を考えているのかすらわからなくなってきました。

まあ、単に会社の宣伝要員として駆り出されて言われされているだけの可能性はありますが、本心からこの発言をしているとしたらちょっとアレですね。

こんな人たちと競争しなければいけない同業他社の方々に同情せざるを得ません。

だって…

こんな自己犠牲しまくりの人間に常人は勝てないですよ

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