ブラック企業という殺人者
最近、ブラック企業という言葉が一般用語として知られるようになってきました。
しかし、ブラック企業という言葉が浸透してきているだけで、本格的な摘発や規制に至っていないと思うのは私だけでしょうか。
以前に比べて摘発や規制は活発にはなってきていますが、どうもまだまだ不十分に思えるのです。
社員を奴隷のようにコキ使うブラック企業。
それはあきらかな犯罪組織です。
それなのに、摘発される件数は少ない。
もしくは摘発されても、厳罰な処分が下されることはまれです。
実際、サービス残業による残業代不払いを例に挙げますと、残業代不払いに対する罰則は…
6ヵ月以下の懲役または30万円以下の罰金です(労働基準法119条)
ちょっとコレ、軽すぎやしませんか?
それは日本の風土だから?慣習だから?
刑事罰がなく軽い罰金で済むのなら、企業イメージを気にしないブラック企業は あたりまえのごとく社員を酷使し続けるでしょう。
その方が儲かるのですからあたりまえです。
これではまるで法律がブラック企業を促進しているとしか思えません。
ブラック企業で働く人には基本的な人権はないのでしょうか?
法律的には基本的な人権は保護されていますが、実質ありません。
社畜という言葉の通り、無意味に殺されないだけで人の扱いは受けられません。
ブラック企業は基本的人権が保護されない治外法権地帯です
ブラック企業で働くと心が死んで廃人になる
ブラック企業で働いている人々の中には本当に悲惨な状況で働いている人々が大勢います。
プライベートはおろか、睡眠時間もろくに取れません。
加えて、お金も貯まりません。
ただただ、人生という貴重な時間を無為に搾取され続けているだけです。
歳を取ったり精神を病んだりすればゴミのように捨てられることがわかっていても、現状を打破できません。
打破する術がまったくもってわからないからです。
現に私の友人の中にも、いわゆるワーキングプアに陥っている友人が何人かいます。
毎日毎日、未来のない仕事に膨大な時間を費やしています。
そんな友人たちに将来のことを聞きますと…
将来なんて考えていない、というよりは考えられない
きっと…どこかのタイミングで早死にしているかもしれない
といったネガティブな返答が返ってきます。
それほど精神が追い込まれているのです。
それなら何か行動を起こせばいいじゃない、やめればいいだけじゃない?
なんてアドバイスできる人は、まだ精神的にかなりゆとりのある人々です。
ひとたび奴隷的な状況に追い込まれると、感覚がマゾスティックに麻痺していきます。
そして、無意識的に自虐的な思考に支配されまともな判断ができなくなります。
ブラック企業を簡単に辞められるような社会ならブラック企業は生まれません
辞めてもどうしたらよいかわからない。
ブラック企業はその不安に付け込み、ここが君を雇ってくれる唯一の場所と洗脳します。
人の時間を奪うことは、人を殺しているのを同じです。
他人の人生をジワジワと殺している殺人犯罪組織。
それがブラック企業です。