日本でサマータイムが導入されたら懸念されること
政府は猛暑対策として企業にサマータイムの導入を促す検討段階に入ったそうです。
サマータイムとは別名夏時間と呼ばれるもので、1年のうち夏を中心とする季節に時間を繰り上げる制度です。
時間を繰り上げるとは、例えば2時間の繰り上げを行った場合、朝7時が朝9時になるのです。
えっ?つまりどういうことだ?意味不明なんだが?と思われるかもしれませんが、そのままです。
例えば今が朝の7時だとしましょう。
これをサマータイムで2時間繰り上げるぞ!となれば日本中の時間が7時ではなく9時になるのです。
9時になってしまうと、8時半出社の会社に行こうと思ったらもっと早くに家を出ないといけないですよね。
となると朝の涼しい時間帯に出社できて、且つ明るい早朝を無駄にせずに皆ハッピー。
これがサマータイムの基本的な考え方です。
アメリカや欧米では一般的なサマータイム制度なのですが、まだまだ日本では馴染みがありません。
ところが最近になって、日本のお偉い方々のいろいろな思惑によりサマータイムを導入しようとしているのです。
本当に日本ではサマータイムは馴染むのでしょうか?
ここでは、サマータイムを導入した際に懸念される事柄をいくつか羅列してみたいと思います。
なぜか帰る時間は変わらない
サマータイムが導入された場合、まず思い浮かぶのはコレですね。
社畜大国日本ではサマータイムを強制早出制度か何かと勘違いされてしまう可能性が大いにあります。
するとどうなるか?
単なる早出ですので、帰る時間はサマータイム前と変わらないといった不思議な現象が起こることでしょう。
そうなるとサマータイムは単なる過労死促進月間と化してしまうかもしれません。
サマータイムで2時間遅らせるのはかまいませんが、帰る時間もサマータイムで帰らなければ意味がありません。
サマータイムを導入する際には、政府にはこのあたりを徹底的に周知してほしいですね。
終電をサマータイムに合わせるのはあたりまえとして、サマータイムを利用した労働基準法の違反には厳罰を下してほしいところです。
でなければブラック企業などは、出社はサマータイム・帰宅は標準時間なんてことをあたりまえに強制してくるでしょう。
時差ボケで事故が多発する
サマータイムを導入した直後、終了した直後に懸念されるのは人の体調への影響です。
サマータイムは生活時間を一気にズラしますが、人の体はそんなに簡単には切り替わってはくれません。
となると、サマータイム開始しばらくは単なる早起き状態となってしまい、頭がボケた状態で生活をすることになります。
それが1人や2人ならまだしも、日本全体が一気に時差ボケになるのです。
これはとても危険なことです。
日本国民全員時差ボケ状態、生産性が下がるだけならまだしも交通事故や体調不良が急増するかもしれません。
昼食後の眠たい時間がやってきますと、時差ボケしたサラリーマンの運転するクルマが街中を走り回るわけです。
恐すぎます。
実際、日本睡眠学会はサマータイムは睡眠の質を低下させて睡眠不足を加速するとしてサマータイムに反対表明を出しているみたいですしね。
なぜか季節が変わっても継続される
元々、夏の日の出が早いのを利用したサマータイムにも関わらず、夏が終わってもサマータイムが早出と名を変えて継続される恐れがあります。
特にブラック企業では出社する時間は実質同じだろうが!などとまくし立ててサマータイムと同じ時間の出社を強制するでしょう。
もちろん、退社時間は標準時間に戻したうえでです。
あるいは、政府がコケにコケたそびえ立つクソであるゆう活を再びアピールし始めるかもしれません。
【ゆう活とは?】
ゆう活とは仕事を早めに始めたら早めに仕事が終わり夕方からは皆アフターファイブでハッピーになるという2015年に政府がキャンペーンを始めた活動です。
仕事を早めるためには前日は早めに寝ないといけないわけで実質的な余暇は変わらないのですが、政府の主張ではなぜか早く出社したら仕事が早く終わるという謎理論によって余暇が増えるそうです。
当然のことながらまったく流行りませんでした。
あまりにマイナーな活動であったため存在すら知らなかった、すぐに忘れていた人も多いかもしれません。
とまあいくつか懸念事項を羅列してみましたが、実のところ私はサマータイムに若干期待しております。
初めはサマータイムと聞いたときに働かせホーダイのクソ施策かよと思ったのですが、まあ終電やら何やらをしっかりと早めてくれるのなら一応の機能はするのではないかと思うのです。
効果については経験したことがないのでわかりません。
もしかしたらとても効率的に仕事ができるかもしれませんし、あるいは単に疲れがたまるだけで逆効果になるかもしれません。
これは一度経験してみないと何とも言えないのではないかと思います。
ちなみに、ITエンジニアが過労死する件についてはその通りだと思います。
実施する際には一部の業界に負荷がかからないように配慮していただきたいですね。