増えるサイレントテロリスト
サイレントテロという言葉を聞いたことはありますか?
サイレントテロとは、格差社会などの資本主義に嫌気がさし、競争社会・消費社会へ参加することを放棄した消極的思想のことを指します。
サイレントテロの実例はいくつかの種類がありますが、
- 経済に貢献するなんて無意味と消費行動を極力しない
- 少子高齢化で国なんて滅びてしまえばいいと独身を貫く
- お金のかかる趣味は持たない、贅沢をしない
- 無駄な買い替えは行わず、質素に同じものを長く使い続ける
- テレビや雑誌は信じない、メディアに流されず無駄な消費をしない
- 酒やタバコ、ギャンブル、風俗などお金のかかる行動はやらない
などがサイレントテロの代表的な一例でしょう。
つまりは、何も消費行動を起こさないことで販売している会社や購買を促す社会に対して打撃を与えるのです。
また、サイレントテロリストのほとんどは若年層であるといわれています。
理由は言うまでもなく若者はお金を持っていないからです。
お金がないとストレスが溜まります。
ではなんでストレスが溜まるのか?
あれを買いたい、これに消費したいなどの欲求があるからです。
じゃあ逆にそういった消費志向を辞めれば逆にハッピーになれんじゃね?
サイレントテロリスト達はそう思い立ち、消費欲求を捨て去ることでストレスを抑えているのです。
でも、よくよく考えてみてください。
無駄な消費行動を極力抑えて質素に暮らすことのどこがテロリストなのでしょうか?
私は、堅実な生活を続けていて立派にすら思えます。
「世界一貧しい大統領の名演説が感動する」のページにも書きましたが、消費主義に支配された人生ほどつまらないものはありません。
ローンの支払いや消費欲求を満たすためだけに働き、気づけば歳を取って死んでしまいます。
それに比べれば、消費主義から脱却したサイレントテロリストの方がまだ有意義に人生を歩んでいると思うのです。
もちろん、消費のない社会は経済を停滞させます。
そういった意味でサイレントテロリストは経済を停滞させる要因になるかもしれません。
しかし、問題の本質はそこではないのです。
世代格差に対する精いっぱいの抵抗がサイレントテロである
現代の老人と若者間での経済格差は異常です。
しかしながら、日本ではそれらに対する暴動は起きません。
若者の多くが格差に絶望し諦めているからです
しかし、何もしないのは癪なので何かしらの抵抗をしたい。
そういった思いの結果がサイレントテロでもあるのです。
結局のところ、サイレントテロというのは、単なる一部の人々から生まれた特異な行動ではなく、現在の世の中が生み出した社会現象なのです。
何も欲しない何も買わないのではなく、何も欲せなく何も買えないのです
日本全国でサイレントテロが多発する
最近は若者だけでなく多くの世代でサイレントテロが起こってきています。
まさに一億総サイレントテロリスト時代です。
皆、将来が不安なのです。
将来が不安がゆえに、無駄な消費行動などできません。
国なんて信用できないですし、自分の身を守ってくれるのは自分自身のみです。
どう考えても無駄な消費なんてしてられないでしょう。
メディアもこの流れを察してか、最近はCMやドラマでの消費ターゲットを徐々に裕福な高齢層へシフトしてきているように思えます。
このままでは、一部の裕福な老人とその他大勢の貧乏世代に二極化してしまいます。
もちろん、二極化といっても例えば若者に裕福な人間がいないかといえばそんなことはなく、どの世代にも勝ち組はいるでしょう。
しかし、裕福な層になることのできる人間は確実に減ってきています。
裕福になれる人間の絶対数が減ってくる、これはすなわち日本という国が衰退していることの証明です。
これから先、日本はどうなるのでしょう。
そんな将来に対する備えをしようと思えば、やっぱりサイレントテロになってしまいます。