仕事に明け暮れて過ぎ去った20代前半
20代前半。
おそらく人生でもっとも遊び盛りで、恋人もできやすい時期でしょうか。
学生から社会人になりつつも、まだ学生時代の友人とのつながりは残っていて、お互いに仕事の愚痴を言い合ったり遊んだり。
なんだかんだで青春の延長線上ともいえる20代前半。
そんな20代前半に私は何をしていたかといいますと、完全に仕事に追われていました。
就職は地元ではなく知らない土地(ド田舎)でしたので、土地勘もなければ知り合いもおりません。
加えて、仕事はものすごく忙しくプライベートもありませんでした。
青春どころか左遷や島流しといった言葉が妥当だったと切に思います。
そんな中、とにかくがむしゃらに働きました。
女性に興味がなかったかといえば、それすらもよくわかりませんでした。
とにかく何も考えず働きに働き、今日という1日が早く終わってくれることだけを願っていました。
ツライ今日が終わればツライ明日がやってきて、とにかく月日が早く過ぎ去ってくれと祈り続けていました。
思えば当時は、仕事に没頭することで他の願望や興味を忘れ去ろうとしていたように思えます。
そうしなければやってられなかったのでしょう。
田舎+孤独な生活+激務+女性とつながりのない職場+最悪な人間関係。
考えられるマイナス要素がすべて詰まったような環境です。
当然のことながら出会いなんてありません。
そんな環境でしたので、私の20代前半はあっという間に過ぎ去ってしまいました。
別に人生を無駄にしたとは思っていません。
それなりに得られるものも大きかったですし、後悔もありません。
ただ、出会いといった点で見ればホント何もない生活だったなと思います。
そんな私に訪れた転機、それは転職でした。
転職活動は転職活動で、それはまた違った苦労がありました。
しかしながら、何とか無事に転職活動を完了し、ちょうど20代半ばで地元へUターン転職しました。
あのまま、あの土地に残っていたら今頃はどうなっていたでしょう。
仕事の鬼になっていたか、あるいは精神を病んで再起不能になっていたか。
まあ、一番可能性が高いのはうつ病になって過労自殺していたと思います。
あるいは、再起不能になるまで働き詰めて倒れて、その後は退職して対人恐怖症になり無職になっていたでしょう。
いずれにせよ確実に言えることは、異性との出会いなんて100年待っても訪れなかったでしょう。
それだけ、仕事以外には何も残らない異質な生活を送っていました。
私のように仕事漬けの生活を送り、月日の流れがわからなくなっているサラリーマンは、きっと世の中に大勢いることでしょう。
人生の袋小路に迷い込んだとでも言いましょうか、浦島太郎のように気づけば月日だけが過ぎていきました。