残業禁止で得をするのは誰か?
唐突なノー残業Dayの導入から数ヵ月が経ちました。
相変わらず職場はやや混乱しています。
当初の予想通り、早出のサービス残業をやりだす人間や昼休みを返上して働く人間が増えてきました。
その傍ら、残業禁止によって残業代が大幅に減って生活苦を口に出す社員も増えてきました。
まあ、もともと薄給な会社ですので残業代も絞られてしまってはなかなか厳しいでしょう。
残業代を見越して転職してきた中途入社の人たちも苦しそうです、愚痴を毎日のように聞かされています。
住宅ローンや生活費、子供の養育費などを考えると、たしかにこの会社の給料だとどう考えても成り立ちません。
前もって準備ができたのならまだしも、ノー残業Dayが導入されたのはホント唐突でしたからね。
残業代やボーナスをあてにしてローンや生活設計を立てるのは愚かだとは思いますが、それでも求人票には残業代込みのモデル賃金が書かれていますのであてにする気持ちもわからなくはありません。
残業禁止で得をしたのは誰か?
これら一連の残業禁止の流れを受けて、残業禁止でも給与のベースが変わらない末端社員は時間と引き換えに明らかに経済的に苦しくなりました。
ではいったい誰が一番得をしたのでしょう?
それは残業代と関係のない管理職の人間です。
私たちの会社では管理職は労働組合の所属外になっており、残業代は支払われない給与体系です。
その代わりに管理職は基本給が高めに設定されています、いわば年俸制のようなものですね。
今回の残業禁止の流れを受けて、管理職側の人間は給与的には何ら痛手を受けません。
もちろん、残業禁止によって部下の仕事量が下がってしまう分、部署としての実績は出しにくくなりますがそれでも業務調整の範囲内でしょう。
もしかして管理職の魅力アップのため?
以前、社内でアンケートが取られました。
労働意識調査のようなものです。
その中で、管理職に魅力があるか?の項目が著しく低かったのを覚えています。
それもそのはず、実情は残業代を稼いだ末端社員の方が管理職よりも給料が高いという逆転現象が起きていたからです。
この逆転問題自体は巷でよく聞く話ではありますね。
特に会社が管理職を定額働かせホーダイのお得社員と考えている会社ではしばしばみられる現象です。
私の会社でもそんな逆転現象により部下より薄給だった管理職ですが、今回の残業禁止の流れによって逆転現象は起きなくなりました。
そういった意味では管理職にならないと給料が上がらない給与体系になったと言えるかもしれません。
もしかして会社は、管理職の給与的な魅力をアピールする狙いもこめて残業禁止の流れとしているのでしょうか?
名目上は各社員のプライベートを充実させて活き活きと仕事に打ち込めるための活動と聞いていますが、給与体系や業務量が変わらず残業だけ絞られていますので、実のところまったく活き活きできません。
持ち帰り残業をしている社員がいるかどうかは不明ですが、残業禁止によって終わらない仕事を休憩時間や早出のサービス残業によって補う流れができつつありそうです。