今と昔の労働に対するモチベーション

昔はもっと皆がんばって働いたものだぞ！
しばしば、仕事好きのベテランサラリーマンが若手に向かって投げかける言葉です。
昔はもっとがんばっていたか…。
それはそうでしょう。
好景気で給料も将来性もあって、日本が明るかった時代なのですから。
もちろん、今よりもよく働かされた時代でもあるでしょう。
セクハラやパワハラ、コンプライアンス違反も多々あったでしょう
ただ、その分見返りもあって、将来への心配も少なく、
ただただがむしゃらに働けば救われた時代。
それは今の若者からすれば、ものすごくうらやましい状態です。
やればやるだけ見返りがくるのならボーナスタイムのようなものです。
すべてを投げ打ってでも仕事に没頭しておけばよいのです。

逆に今の世の中は先がまったく見えません。
企業も信用できません。
以前のように終身雇用で従業員を守ってくれることはありません。
簡単に人を捨てますし、下手をすれば国を捨てて海外に逃げることもあります。

年金システムも信用できません。
システムが破綻するのが確実と言われ続け、徐々に支給年齢も上げられています。
国民的ねずみ講みたいなものですので、そもそももらえるかどうかも危うい代物です。

給料を増えません。
高給取りの老人を保護するために、若者は非正規で使いつぶされます。
1人で生きていくのも精いっぱいで、実家から出られない人も大勢います。

あまりにもネガティブな情報であふれています。
何もかもが不安定で、若者はしっかりとした将来設計を描くことができません。
では若者はどうするか？
答えは簡単です。
若者は深く考えるのを辞めるでしょう。
未来がわからないので、今を精一杯に楽しもうとします。
結果、就労意欲の少ない若者が激増します。
まさに、悪循環です。
そんな若者に対して、怠けているなどと説教しても無駄です。
根本的な問題が解決されない限り変わることはありません。。
勝ち逃げ世代と将来が絶望的な世代。
それらは決して分かり合うことはないでしょう。
さっさと勝ち逃げしようとするシニアに、世の中を見捨てて適当に生きるジュニア。
もはや世代の引継ぎどころではありません。
各自が好きな方向に向いています。
でもどちらが悪いかといえば、私はシニアと答えるでしょう。
次の世代に対してしっかりとした基盤は残してあげないと、
さすがに次の世代がかわいそうです。

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