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モーレツ社員の後輩

自分の直属の先輩が仕事中毒でいわゆるモーレツ社員であった場合、
その後輩は精神的にものすごくまいります。
まさに私がそうでした。
先輩はヤル気満々で、残業も休日出勤も気にせず、サービス残業にも嫌な顔1つしない。
そんな仕事人間でした。
おそらく、企業にとってはとても使いやすい人材なのでしょうが、
下についている後輩の私にとってはこの上なく面倒な存在でした。
私も仕事中毒でお互いに奮い立たせてがんばりあえるような人間ならよかったのですが、
いかんせん私はプライベートも大切にしたいタイプです。
まったくもって合いませんでした。
実際、何が辛いのかということですが、例えば1つ挙げますと…
いくらがんばっても二番煎じの気分を味わってしまうことです。
どれだけがんばって残業しても、休日出勤しても、それは先輩が既にやってきたことであり、
特別評価されるわけでもなければ褒められるわけでもありません。
それが結構、精神的に堪えるのです。
できてあたりまえ、できなかったら低評価。
そんな雰囲気が嫌でした。
まあ、本当は先輩がそういった後輩の疲れを見抜いて、
臨機応変に後輩のストレスを発散してあげないといけないと思うのですが…
仕事中毒な人間は往々にして他人の気持ちが考えられない、感受性が低い、
自己中心的と唯我独尊なタイプが多いものでして…
実際、私の先輩もそんなタイプでした。

そんなことできてあたりまえだよ!
えっ、ここまでしかできていないの!
正直、仕事が遅れているのでがんばって挽回して!
なんでこんなこともできないの!


などと、モチベーションの下がる言葉を平気で使い続け、
結果として後輩だった私のヤル気がみるみる削げていったものです。
まああれですね。
太陽と北風で例えると見まごう事なき北風です。
現に私の周りを見渡しても、
モーレツ社員の先輩にやられて心が折れてしまった人達を何人も見てきました。
第一症状は、とても暗くなり乾いた笑いを見せるようになります。
第二症状は、何かと体調の不良を訴えるようになり、
目が何か遠くをみているような虚ろな瞳をするようになります。
最終症状は、ある日突然会社に来なくなります。
たいていこのパターンでいなくなります。
まあ順番に違いはあれば、とにかく最後はある日突然会社に来なくなるんですよね。
まさにプツンと糸が切れるような感じに。

仕事ができて面倒見のよい社員の後輩はロクに育たない。
一般的によく言われていることです。
私の場合は、
先輩がグイグイと勢い任せに引っ張っていきついていけなくダメになるパターンでしたが、
中には後輩の面倒見がよすぎて過保護になってダメにしてしまうパターンもあります。
過保護になりすぎて後輩の自主性が育たなくなってしまうのです。
ただ、私から言わせればそれは贅沢なケースで…
私はそんな過保護な先輩が欲しかったです。
マジメに仕事の成果を出して貢献するので、せめてしっかりとフォローしてくれる先輩。
そんな人がいてくれたら…と昔を思い返すのです。

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