子供の就業体験を見ていて思うこと

しばしばテレビなどで、小さい子供に就業体験を行いましたといったニュースを目にします。

とても楽しかったです！
憧れの〇〇を体験できてとてもうれしかったです！
将来は□□になりたいです！

そんな子供たちの無垢な感想を聞いていると、ほほえましくなります。
しかし、なんといいましょうか…
同時にとても虚しくなることがあります。

どうせこの子たちも、将来はサビ残と薄給にあえいで絶望するんだろうな・・・

そんなネガティブな感情が浮かんでくるのです。
まさに…疲れた大人の発想でしょうか。

そんな理想的な就業体験を子供にさせて夢を見させても、
どうせ成長したら普通に劣悪な労働環境に放り込まれるんだろ。
そんな風に思ってしまうのです。

就業体験？
そんなものをさせるのなら、もっとしっかりと現実の労働環境を改善しなければいけません。
サビ残が横行し過労死やうつ病が絶えない労働環境なんてのは論外です。
それができないのなら、極論を言えば…
就業体験をもっとリアルにしてもよいのです。

夕方で帰る？夜遅くまで強制的に働いてください＾＾
夜ご飯？そんなものは食べられません＾＾
夜遅くまで働いても明日はキッチリ朝早くにきてください＾＾

そんな就業体験があってもよいと思うのです。
だって…それが現実なのですから。
夢を与えて現実で叩き落す。
それなら最初から持ち上げなければよいのです。
ひねくれた考えかもしれませんが、
私はどうも夢を与える就業体験には偽善に似た嫌悪感を覚えるのです。
そんなキレイごとを信じた子供たちに誇れるよう、
現実の労働環境をホントどうにかしろよと思うのです。

また、花形の職業ばかりを体験させるのも納得いきません。

〇〇になりたいです？どうせクラスの半分くらいはワーキングプアだよ

夢を壊すようですが、どうせそれが現実です。
少なくとも私の同級生ではそうです。
みんな子供の頃にはそれなりに夢はありました。
しかし、受験・進学・就職と進むにつれ、同級生間の格差は広がっていき、
就職後10年も経てば、もうどうしようもない格差が生まれています。

かたや大企業のサラリーマン。
家やクルマ、家族に囲まれまさにドラマのような順風満帆な人生。
かたや高校を中退し引きこもり、最近になってようやくフリーター。
貯金はほとんどなく、経済的に自立は困難なため実家を出られない人生。

子供のころは皆同じだったのに、どうしてそうなってしまったんでしょうね。
私は、日本社会は子供から大人になるまでが異常に過保護で、
大人になってから急にドライで過酷な現実を突きつけられる社会に思えるのです。
泥臭いことは教えず、キレイごとだけで世の中に通用する。
学校ではそのような教育がなされているように思えるのです。

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