ワーケーションとは(笑)

2017年、日本航空（JAL）は新しいテレワークのシステムを導入しました。
そのシステムの名は「ワーケーション」。
「ワーク（仕事）」と「バケーション（休暇）」を組みわせた造語で、
旅行先などでも仕事を認める新しい働き方の形態として注目を集めました。
また、和歌山県などでも、県内にある観光施設を利用してもらえるようにする取り組みとして、
ワーケーションを普及する活動に力を入れているそうです。

ワーケーションを普及する目的としては、日本の有給取得率が世界ダントツ最下位であり、
それを少しでも改善するためとのこと。
また、他にも以下のようなメリットがあるそうです。

• 気分転換になり社員の業務モチベーションがあがる

• なかなか旅行に行けない社員も旅行に行くことができる

• 家族と過ごす時間が増える

• 仕事が終わればすぐさまバケーションを楽しめる

まあ、効果がある会社はあるのかもしれませんが、1つだけ言いたいことがあります。

ブラック企業では普通の休日もワーケーション(笑)なので意味がないです

業務外であろうが深夜であろうが休日であろうが、何かと仕事の電話が飛んできます。
ワーケーションのワークがすでにプライベートに侵食してきてますので無意味です。

ただ、新しい形態の働き方としては興味深いですね。
そういった意味で、しっかりとした労働基盤がある前提ではそれなりに面白い試みでしょう。

そもそも、有給取得率を上げたいのなら、
一定取得数以下の企業に罰金、取得数を詐称した部門の管理者には刑事罰。
これくらいを実行しないと改善しないでしょう。
結局は囚人のジレンマです。
やって許されるグレーな状態なんて、推奨しているようなものなのですから。

グダグダな労働環境のままワーケーション(笑)なんてものが導入されたら、
どうなるかなんて火を見るよりも明らかです。

気分転換？なりません(笑)
常に仕事の連絡や携帯に怯えて休まるときがなくなります。
また、本人がどこからワークでどこからバケーションなのかなんて
他人からはわかりませんので、
他の人間からすれば年がら年中連絡できる便利な人間になってしまいます。

なかなか旅行に行けない社員も旅行に行ける？
落ち着きません(笑)
先ほどの線引きが曖昧なままですと、温泉でゆっくりするか〜となっても、
温泉前に仕事の電話がきたり、温泉後に不在着信を確認して対応したりと…
まったくもって旅行気分には慣れないでしょう。
それならばまだ、休日は休日と明確に線引きされている今の方がまだマシでしょう。

家族と過ごす時間が増える？
これは効果はあるでしょう。
仕事の対応などで幾分かの邪魔は入るかもしれませんが、
何だかんだで会社で縛られるのと自宅や旅行先で縛られるのとでしたら、
後者の方が家族と触れ合える時間は長くなるでしょう。

仕事が終わればすぐさまバケーションを楽しめる？
それはありません。
線引きが曖昧なままですと、周りにバケーションと認識されないので、
常にワーケーション(笑)となってバケーションは訪れないでしょう。

といろいろと思いめぐらせてみましたが、
仮にワーケーションの線引きが曖昧だとしても…

家族と触れ合える時間が増えるのがワーケーションのメリット

と言えるかもしれません。
まあ、今のところテレワークなどの比較的線引きを行いやすい分野に限定されてますので、
さほど全体に影響はないでしょう。
これが全体に広がってくると、前述したいろいろな問題が出てくると思うのです。
そんな可能性はあり得るのか？
私はあり得ると思ってしまうのです。
派遣システムが良い例です。
はるか昔の派遣社員というのは、専門特化したスペシャリストであったのに対して、
それがいつしか規制緩和され、気づけば一部を除いて・・
派遣＝低賃金の便利な奴隷のような存在になってしまいました。
ワーケーションなるものも、経営陣がコストを削って休日も働かせホーダイじゃねえかと
曲解しないことを祈るばかりです。

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